0019-09-21

パルプを食う日々

以前、メトロ文庫(地下鉄駅構内にある「ここにある本持ち去ってもいいぞ」コーナー)で、「帝都物語」(荒俣宏)が、2~10巻という実に微妙な品揃えで有ったので、「いやがらせか」と思いながらも鷲掴みにして持ち帰った。

今思ったけど、「入手元は全部メトロ文庫」のブックレビュー企画やったら少し面白いかもな。
今度もう少し練ってからアップします。


で、今回は1巻を買った。当然ブクオフだ。100円だ。
もう2~10巻までは再読済なので今度1巻感想書きます。
そういえば高校生時分これを読んで、壊滅気味だった日本史の成績がちょっとだけ持ち直した事があった。
時期的に一番興味を持てない近代史の部分だったから有り難かったなあ。史実と作中の出来事を混ぜて年表作ったりして、なんとか暗記したもんだ。
こんなアホな読み方した人なんて日本中に俺しかいないと思う。
1巻の内容→加藤と辰宮がどうみても衆道の仲です。本当にありがとうございました。
当時は荒俣先生(もう先生呼ばわりする)のド変人伝説とかビブリオマニア振りを全然知らなかった。
今何やってるのだろう。相変わらず平凡社社屋内で徘徊しているのだろうか。判らん。全然判らん。時折書店で見る美麗な百科事典らしきものにいつも監修として名前が載ってる程度しか知らない。ていうかこの人の仕事を全部フォローするなんて並の人間にはムリです。

他。
「風雅の虎の巻」橋本治
買いなおした。以前どこへともなく失くしてしまっていたからうれしい。ずっと探してたのだ。
絶版だしなあ。源実朝最高。「金塊和歌集」読みたくなった。
今日買った版には久保田万太郎の解説が割愛されてた。なんでだ。どういう大人の事情なのか判らじ。

「カレーヌの邂逅 グイン・サーガ(42)」栗本薫
ああ~金出して買っちゃった。100円だけど。
単にイシュトヴァーンとグインの再会シーンを思い出したくて買った。
アリの扱いが「名軍師」から早くも「キモストーカーしかもドMホモ」に堕ちていた。
男の俺から言わせて貰うと、この人の同性愛(つかヤオイか)の概念はなにか根本的に間違ってるような気がするよ。多分ヤマジュンの方が、より実情に近いと思う。
とはいえ「翼あるもの」読んで泣いた事もある自分なのであまり悪くは言えない。
読了後コインランドリーに置き去った。

「ネフェルティティの微笑」これも栗本薫
未読。まーこの時期のなら大丈夫だろう。と思う。

「愛のゆくえ」リチャード・ブローティガン
安かったんで買いなおした。今うちにあるのはもうボロボロなので。
ほんと名作。「図書館もの」は無条件に買う事にしているけど反省はしていない。

「マルジナリア」渋澤龍彦
今更ながら、昔の人は本当に頭が良かったんだなあと思います。
つか想定している読者の教育レベルに、俺全然達していません。
美学・神秘学・西欧史・語学を最低五年くらい仕込まないとこの方の御作は読めないかも。
こういうのをサブカルチャーというのだろうなあ。
メインカルチャーを一通り履修しないと判らんですよ。サブカルチャーを評価できるのはその先の過程ではないかと。
俺は渋澤先生の著作ってまだ10冊程度しか読んでないのだけれど、今初めて
「これはとうてい文庫で大々的に売れる/読めるようなものではないのでは」
と思い当たりました。
大学院から上の人じゃないと楽しめないんじゃないかなあ。勿論俺には無理。
おかしいな。でもなんで定番化してるんだろう。

「邪神帝国」朝松健
クトゥルー関係に造詣の深い人というのは知っていたが実作に触れるのは初めて。
とんでもなく面白い。
この本自体がもう既にネクロノミコンだぁね。
「アーカム計画」よりも「暗黒神ダゴン」よりもずっとずっと上です。いあ!いあ!
方向性は全然違うが佐藤亜紀を連想した。

それにしても、禁句かもしれんが、超御大HPLの源神話って実はそれほど面白くないかも・・・。

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