0019-07-05

きょうの猫村さん


これまた某場所で既出の文章だが再録。以下↓

きょうの猫村さん1.2巻(ほしよりこ)を今更ながら入手。
正月に実家帰省した折に、何故か本棚にあった(妹が買ったらしい)ので読み、
大多数の読者と同じく、にやけてしまったり、猫村さんの涙に胸を詰まらせたりしていたが、
そのうち忘れてしまっていた。えてして日常ってそんなもの。

さらに後日。つか一月ほど前。
男を磨く為にいつものようにブクオフを徘徊していると、行きつけ美容院の店長さんにばったり会ってしまい、何か異常に恥ずかしくなり、俺は会釈してすぐにススッと別のコーナーへ足早に去ってしまった。
どうでもいいですが、普段いるはず以外の場所で会った人に対して(この場合「美容院以外で」「美容院の店長さん」)羞恥心を持ってしまうのは俺一人でしょうかね?なんでか全然分析できませんが。
そして別に悪い事しているわけでもないのに何か逃げてしまうというのは、一体どういう心情からくるのか、自分の事ながらまるで分析できねっす。まあいいか。

 そして逃げこんだコーナーで一息ついてボンヤリ物色していると、上記「猫村さん」(1・2巻揃い)を発見。ちょっと嬉しかった。
本当は柳沢きみおの漫画(これにも仔細あるが今は略)を探していたのだが中止。これらを買って帰った。
俺ってほんと幸せが安上がりだわ。

アマゾンのカスタマーレビューとか各種書評系ブログ等で語りつくされている感もあるので詳細は略。
ただ、俺は癒し系とかそういう安い商法はかなり嫌いなのだが、不覚にも自分のそういうなにかしら救いを求める下司な感覚に直撃するアレがあり、なにかこう足元をすくわれたような納得しがたい思いで、とにかく猫村さんとその世界をとってもいとおしく思ってしまった。本当にすまない。

あーなんだ、泣き顔ですよ。泣き顔に尽きますですよ。
俺だけのツボかもしれないが、喜怒哀楽という感情の中で、こと漫画表現において「泣き」に関して他の追従を許さぬ神クリエイターは何人か居て、今突発的に列挙します。
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1位 唯一神 小山ゆう
 よくご存知でしょう、小山キャラのあの「顔をくしゃくしゃに歪ませる寸前の、目がうるんで口が「開きへの字」になったあの泣き顔」です。「あずみ」はまだまだ甘いです。「お~い!竜馬」の郷士の悲哀とか、特に幼年編の竜馬とか、つか原点は「がんばれ元気」だな。あれです。特にもう父親が死んじゃったくだりとか読むと、読者のこちらがすまない思いでいっぱい。何がどうすまないのか判らないが。
あの泣き顔を見ると俺も心の奥の何かが締め付けられるほどに悲しいのです。神。

2位 菩薩級 謀図かずお
意外だろうが、恐怖スクリーム顔以外に、泣き顔の描写もまた神レベル。
俺は「神の左手悪魔の右手」第1話「錆びたハサミ」の序盤、飼猫ツインクルがこともあろうに机の中で(笑)惨殺されたのを発見する主人公「想」の「ツインクルが!!」という驚愕そして悲痛極まりない激情を生涯忘れない。
愛猫が死んでしまった悲しみが本当にダイレクトに伝わってきます。保坂和志の猫愛にも負けてないぜ。

3位 大天使  高橋留美子
すいません、「惣一郎さん、もう、いないのよ・・・」だけでした。よく考えると別に泣きに特化した人じゃないよな。
とはいえ俺ももらい泣きしたな当時。

4位 喜国雅彦
あの笑いながら涙している諦念と悲痛。最高です。フォーリン&ラフィン。

番外 中沢啓治
「ううううう」「うわーんうわーん」。以上。
ホントはこれ以上のインパクトは無いのだけれどあまりにノンフィクションなので反則。
もう生きる事自体いやになってくる悲しみだわ。

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長く振ってすいません。とにかく猫村さんの涙は、上記3位くらいにくいこむと思う。順位入替えだな。
尾仁子にネコムライスをぶちまけられ、それを涙しながら拾い集める彼女の哀しさ、心底悲しい気持ちになる。 しかも勿体ないからおにぎりにして帰宅後食べてるし。口の周りを飯粒だらけにして疲れて寝込んでしまうのも更に更に悲しい。
あと「なんだかとってもやりきれないわ~(ペロペロ)」。これに尽きます。
オバサンぽいとか妙に所帯じみているとか2時間ドラマが好きとか、そういうのはまあ、いいです。
彼女の心が美しいのだ。けなげだ。
ぼっちゃんを一途に慕う心情、家事をテキパキとこなす勤勉さ、犬神家に寄せる誠実さ、
マガジンハウスという企業は正直アレだが「お嫁さんにしたい猫No.1」というどまぬけなコピーに
深く深く納得してしまう。ああ俺は猫村さんとなら種族の違いを乗り越えた愛を昇華できそうな気さえする
あと頭だけ黒くて後は白い毛とか、昔実家で飼ってた猫と同じで心が苦しくなります。
ああ、ああ・・・。

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