(昔の)10代の音楽
中古屋でクソ安いCD買った。
●よろこびのうた/松井常松
ああ俺がBoowy関係の音源を買う日が来るなんて。世の中どうなっているんだ。
しかしこれは本当にいいアルバム。ベーシスト松井常松の初ソロだ。
実はこれリアルタイムで、レンタルで借りてテープコピーでずっと聴いていたもの。
今回買いなおした。当たり前だが全然Boowyの音ではない。
誰がどう聴いても「ヨーロッパのインディーズ」という感想を持つであろう。
実際、当時もそういう捉えられ方だったと思う。
「いやー松井さんどえらく趣味に走ったアルバムを」という感じ。
なにしろトレードマークの八分音符ルート弾きダウンピッキングなんて1曲もない。
トラックは佐久間正英による硬質な打ち込み。深く静謐な音。
一聴して「あっこの人才能あったんだ、ごめん今まで見くびってたわ」
とボンクラ学生の俺は当時思ったものだ。
布袋の「ギタリズムⅠ」なんかより百倍好きでしたね。
当時俺は打ち込みを始めたばかりで、水族館レーベルとかデヴィッド・シルヴィアンのソロとか、
ドゥルッティ・コラムとか、4ADものとか、まあそういう当時の基準からしても、けっこうどうしようもなく
周回遅れの「典型的な田舎NW少年」だった。
フォローしている媒体なんて「フールズメイト(版型小さい頃の)」「TECHII」誌くらいしかなかったような、
そういう暗いニッチなのばっかり聴いてたもんだ(回顧モード)。友達も全然居なくて、中古屋で
古いエレポップとかテクノポップとかオルタナティブ(現在のそれとは定義が違う)ばかり買ってた。
今思い出しても暗かった。ああ~「セカンド・サマー・オブ・ラブ」までの俺はほんとアレだったなあ。
で、その頃、邦楽新譜としては珍しく気に入ったのがこれ。
それもそのはず、全面的フィーチャーのヴォーカリストがベル・カントのアネリ・ドレッカー嬢。
「げげーなんでBoowyがクラムドディスクと!ほえ~」と思って喜んで聴いた。
でも金なくてアルバム購入まではいかなかった。なにしろ他に買うべき音源が常時1000枚くらい
控えていたもんで。
当たり前だがBoowyファンは当惑のみしかなかった(はず)。
「好きな人がやってるから取り敢えず買わなきゃ」という層ばかりだった(はず)。
セカンドもこの路線だったが、さらに次作サードあたりから松井氏は自分でヴォーカルをとるようになり、
「やっぱりもういいや」とか思った記憶がある。
それにしても、今聴いているが本当にいい。感じるものは水と氷と深い森と洞窟のエコー。
静かで硬く、決して人を救わず癒さない強い意志。欠点が見つからない。
あぁ俺はきっとニューウェイヴを一生引きずっていくんだろうなあ。これでいいのか?いいかもな。
これでコクトー・ツインズとデッドキャンダンスが再結成したらどうしよう。いや、しないけど。
あぁぁ当時REMやキャンパー・ヴァン・ベートーヴェンやキュアーを好きだったガールフレンドは今どこで
何してるんだろう。ゲルニカとミン&クリナメンを好きだったあの人は?ラジカルTVとワールド・スタンダード
を好きだった物静かな友達は今どこへ?KFMDMやフィータスに入れ込んでたあいつは?
あぁぁ俺だけが今も相も変わらずフラフラしてるよ。痛くなってきたので以下自粛。
●ショコラ・ア・ラ・モード/ショコラ
実は未聴。今回初めて聴いた。当時は他に聴くものが多すぎてフォローしてなかった。
にも関わらず強烈なデジャヴュ。こういうの骨の髄から判る。カジくんの音だぁぁ。渋ですよ渋。
なんだニール&イライザの堀江氏のバンドだったのか(違うかも)。
転調のテクニックとかリミッターかけすぎのドラムとか、エレピやハモンドの音処理とか、
今もやれって言われたら何の苦労もなくできるよ。できてもどうかと思うが。
もう昨今は「デトロイト・メタルシティ」で半ば馬鹿にされてるこの系統だけれど、
俺はこの手の音に忠誠を誓ってしまったので悪く云えねえ。
あぁ~「ささやかだけど、役に立つこと」また聴きたくなってきた。でもうちのどこにあるのか判らない。
そして、ばばかよと魚喃キリコの漫画読みたくなってきた。なんとなく脈絡ある気もするがよくわからじ。
ああぁぁぁフェイヴァリットマリンに入りたいなあ。15年ぶりくらいにそう思った。
CAPSULEじゃやっぱり違うぅぅぅ!(好きだが)
なんか老害ぽくなってきたんで、このへんでやめる。
俺、疲れてんのかな。
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